オレの名前は蒲生虎二郎。“歓楽会のトラ”っていえば、ちィとは有名だ。道楽組のタツとは幼なじみで、よくメンドーをみてやった。
「おい、トラ。ダレのメンドーみたって? まさかァ、この伊達龍一サマじゃないだろうな」
いまの話を聞いて、アンタ以外のダレがいるんだ。ちょっとは頭を働かせろ。
「なんでオマエに言われて働かなければならないんだァ。オレは歓楽会の従業員じゃないんだぞ」
例えだよッ、例え。アンタのその眠ってる頭を叩き起こせって言ってるんだよ。
「なんだ、オマエはきもちよく眠ってるところを叩き起こして働けっていうのか。非道だな」
例えって言ってるだろッ。よく考えろっていうイミだよ。わからないのかッ。
「そんなにカリカリするなよ。わかってたよ、そのくらい。ヒマだったんでちょっと遊んだだけだ。そんなカリカリしてるとカリントウになっちゃうぞォ。ハッハハ」
その頭、かち割ってやろうかッ、おい。
「オ、オレの頭をかち割るのか? …それはいくらなんでも犯罪だぞ。おちついて、よく考えろよ」
例えだッッ。