オレは伊達龍一。通称“道楽組のタツ”だ。歓楽会のトラとは腐れ縁だ。
「なあ、道楽組のタツって長くないかァ。言いにくいよな。なあ、オレがかっこいい略称を付けてやるぜ。…えーと、そうだ、今日からアンタは“バカタツ”だ」
おい、トラ。ダレがバカタツだ? オマエ、オレをバカにしてんのか。
「違うって。“バイオレンスカッター・タツ”の略称だよ。乱暴な刃物っていう意味だ。かっこいいだろ、アンタにぴったりだ」
そ、そうか、かっこいいか? …バ、バカタツか。なるほどな、たしかに危険なかんじで、かっこいいな、おい。
「クックク…、そ、そうだろ、かっこいいだろ。クク。よ、道楽組の危ない漢、バカタツ!」
よ、よせよ、照れるだろ。じゃ、じゃ、オレもオマエにかっこいい略称を付けてやるからな。
「い、いや、いい! オレはちょっと長いけど、歓楽会のトラでいいから! もう充分だ!」
なに遠慮してるんだ。えーと、そうだなァ。ア、ア…“アスパラガスホラー・トラ”で“アホトラ”はどうだ? アスパラガスの恐怖っていう意味だ。
「アンタ、その強引な略称はなんなんだ。いったいアスパラガスの恐怖ってなんだ!?」
…実は、オレ、アスパラガスが嫌いでな…。