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著者:北川とも
挿絵:津田守
発行:2001年8月
定価:900円(税込)
ISBN:4-89601-541-X C0293 \857E
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天才パティシエの透は、突然マンションに押しかけてきた男に言いがかりをつけられ「お前のプライドをズタズタにするっ」と言われ犯されてしまう。しかし彼のHの上手さに翻弄され、成りゆきで二度も体を重ねてしまううちに、彼の真面目な一面を知る。そして二度と会うこともないと思っていたその強姦魔に仕事で再会。一方、透に執着する店のオーナー・甲斐は二人に魔の手を――あいつの跡や匂いを残しておくなっ。怒りと嫉妬で、あいつを殺しそうになる――執着、嫉妬の渦巻くなか二人の恋の行方は?
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「俺の持ってるファイルを見ただろ? 俺はある意味、お前に恋してる。本当に、お前の書いた字すら愛しいよ。何度も練習したからな。お前の筆跡をまねることもできる。だから、俺が何をしたいか、わかるはずだ。お前の質問には答えた。今度は、俺の番だ」
鋭い衣擦れの音のあと、掴まれた手首にネクタイらしきものが巻き付けられ、もう一方の手も掴まれて同じことをされる。抵抗する前に、後ろ手にしっかりと両手首を縛り上げられていた。
「お前のことにはなんでも興味があったが、体に関しては別だった。欲情はしなかったしな。だが、あの記者が現れてからは話は別だ。俺の知らないことをあの記者が知ってるのかと思ったら、腹が立つ」
「バカやろうっ、仕事と恋愛は別だろう」
「俺にとっては一緒だ」
体を動かして逃げようとしたが、簡単にひっくり返され、仰向けにされて甲斐に押さえつけられる。冷静な目で見下ろされながら、厚手のシャツのボタンを外される。
必死になって体を動かし、甲斐の下から這い出そうとするが、びくとも動かない。
「――お前も、覚悟はしてたんだろう? 記者とのことで俺に口止めするためには、俺に乱暴されたっていう事実が一番だからな」
実際、透はそう思っていたのだが、いざ甲斐が口にするとそれはひどく汚らわしいことのように思える。透は本気で抵抗していた。
甲斐の手がジーパンにかかり、透は暴れながら大声を一瞬だけ上げたが、すかさず甲斐のてのひらに塞がれ、そして口にハンカチを押し込まれた。喉でくぐもった声を上げる。
ジーパンを下着ごと引き下ろされて脱がされる。満足そうに甲斐が息を吐き、透の体を見下ろしてくる。
胸から腹部、腰から腿へと甲斐のひんやりとしたてのひらが這わされ、透は違和感に体を震わせてから背を大きく反らし、抵抗する。愛撫するというより、透の体を検分しているといった感じの手つきが、透の神経を傷つけてくる。
「……あの記者は、お前のこの体に夢中になってるってわけか」
呟いた甲斐が透の体にのしかかってくる。無造作に足を抱えられ、体を割り込まされて足が閉じられなくなる。
男の体をどう扱っていいかわからないといった様子の甲斐だったが、ようやく興味を引くものに出会ったように透の胸を凝視してくる。
「男でも、ここは感じるんだったよな」
言葉と共に胸の突起を含まれ、手同様ひんやりとした舌先を小刻みに動かされて刺激される。本能的な反応として突起が硬く凝ると、夢中になったように何度も吸われ、痛いほど歯を立てられる。
「ううっ」
濡れた感触がイヤで声を洩らすが、おもしろがるように甲斐は透の肌に噛みつくような愛撫を加え、あちこちに血が滲んだような鮮やかな跡を散らしていく。
「きれいなものだな……」
透の体を見下ろしてきながら、甲斐が肌に散った跡を指先でなぞる。透は甲斐を睨みつけるが、抵抗を封じている余裕なのだろう。甲斐は薄く笑う。
「いいのか? そんな目をして」
甲斐の手が、まったく反応を示していない透のものを握る。
「ふっ……」
透は体をよじろうとしたがそれもできず、抱えられた両足をばたつかせる。求め合っての行為での羞恥は紙一重で快感の刺激となるが、この場合は弱みを握られるということに直結している。
甲斐は気にした様子もなくゆっくりと透のものを扱きつつ、再びのしかかってくる。
「いい加減、あきらめろよ。俺たちは秘密を抱え合って共犯になるんだ。楽しまなきゃ損だ」
透は甲斐を睨みつけるが、笑みが消えることはない。
何か言ってやりたいが、口をハンカチで塞がれているので非難めいた呻き声しか洩らせない。もどかしさと同時に、扱かれ続けるものが肉体的な反応を怖々と始めていた。これだけは、気力だけでどうにかなるものではない。
喉を鳴らして笑った甲斐が、再び胸の突起を夢中で吸い、舌先で転がす。
透のものを扱く甲斐の手の動きが早くなり、認めたくないが確かに快感が這い上ってくる。甲斐の冷たい唇と舌の愛撫がゆっくりと降りていき、あることを予感した透は大声を出す努力よりも、息を詰めることを優先する。
透が蹴りつけてこないよう、甲斐に両膝を掴まれて胸にしっかりと押しつけられ、秘められた部分をすべて甲斐の眼前にさらけ出していた。ふいに泣き出したくなったが、これだけは甲斐の前で見せたくない表情だ。
「こうしてほしそうだな、お前のは」
先端を甲斐の生暖かな口腔に含まれ、いきなりきつく吸われる。
「んんっ――」
鋭すぎる快感が背筋を駆け抜けていく。腰を揺らすとさらに深く含まれ、わざと透に聞かせるように濡れた音を立てながら、何度も甲斐の口腔から出し入れされて愛撫される。チロチロと焦らすように先端を舐められてからきつく吸われると、たまらず頭を左右に振る。
自分でも、抵抗が弱くなっていくのがわかる。それに対する褒美のように、透は達する瞬間を迎えさせられた。
甲斐の口腔から解放され、すかさず軽く数回扱かれる。喉を反らした透は、自分の下腹部に自らが放ったものが飛び散るのを感じ、屈辱感を噛み締めながらも、堪え切れない熱い吐息を喉の奥からこぼす。口に入れられたハンカチのおかげでそれを甲斐に聞かれなかったのが、せめてもの救いかもしれない。
だが、甲斐の興味はすでに次の部分に向けられていた。
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「この場所で、いつもあの記者のを咥え込んでるってわけか……。きれいな色して小さい入り口だな。本当に入るのか?」
透は顔を背け、甲斐の視線に耐える。すると、顔を上げた甲斐に口に押し込まれたハンカチを取り除かれた。内奥の入り口に指を這わされ、屈辱的な言葉を甘い声で囁かれた。
「ここの具合が良さそうなら、俺のを入れてやるよ」
甲斐の頭の位置が下ろされ、指にかわって生暖かな感触が這わされる。それが何かわからない透ではなかったが、にわかに信じたくなかった。いやらしく舌が這わされ、透の内奥の入り口は濡らされていく。
「やっ、め……」
どこか恐怖にも似た感情から透は声を上げる。屈辱と羞恥に身を焼かれそうになり、体をよじろうとするが、甲斐の手に双丘を鷲掴まれる。
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妖しく蠢く舌が浅く差し込まれた。
「イヤ、だ……。やめ、ろ――」
甲斐は時間をかけて透の内奥の入り口を舐め続けた。次第に透の下半身も重くなり、ときおり腰を揺するのが精一杯になる。屈辱と羞恥という激しい感情は変わらず透の中にあるが、ゆっくりと疼きが沸き起こるのを、どうすることもできない。
甲斐が顔を上げ、荒い息を吐く透を見下ろしてくる。睨みつける気力もなくなりかけていることに、透はそのとき気づいた。甲斐は意味ありげに自分の指を唾液で濡らし、透の両足を抱え直す。
入り口を撫でられてから、肉を掻き分けるように、指が内奥に挿入される。
「あっ、うぅ……」
甲斐の顔に喜色が満ちる。内奥の締め付けを堪能するように、ゆっくりと指が出し入れされたかと思うと、いきなり中で激しく蠢かされる。
「ひあぁっ、あ、はぁ……」
「……これは、あの記者も夢中になるはずだな」
透の意思に関係なく、入り口は柔らかく解され、甲斐の指によって内奥にも唾液をすり込まれて湿らされる。認めたくないが、内奥が燗れるように疼いていた。
残酷な優しさと的確さで内奥の粘膜を擦り立てられ、透は唇を噛んで洩れそうになる声を堪える。プライドが、快感によって屈伏させられようとしている。望んでいるわけではない快感を与えられるのは、拒絶できないからこそ忌ま忌ましい。
「悦んでるぞ、お前のここ。何人の男に開発されたら、こんなにいやらしくなれるんだ」
「うる、さ……」
指を蠢かされながら甲斐に胸の突起を含まれ、透は微かに声を洩らしてしまう。透が少しずつ見せ始めた苦痛以外の反応に、甲斐の欲望は刺激されたようだった。
「――すぐにお前のここに、俺のを入れてやる」
指が引き抜かれて一度甲斐が体を起こす。透は息を喘がせながら、その様子を見上げることしかできない。体をしかっかり押さえつけられているため、身動きが取れないのだ。
服を脱ぎ捨てた甲斐が小さく苦笑を洩らす。
「そんな悲愴な顔をするなよ。お互い楽しんで、黙ってればいいんだから。それでうまくいく」
「……終わったら、おれの質問に答えろよ」
「ふん。お前がイイ声を聞かせてくれたら、取引に応じてやる」
透は言い返そうとしたが、無造作にうつぶせにされ、腰を突き出した屈辱的な姿勢を取らされた。ほとんど本能で前に逃れようとしたが、すぐに捉えられて内奥に指を挿入され、挫かれる。
「あうっ」
こんな取引は成立しないと思ったときには、指にかわって熱く硬いものが綻んだ入り口に押し当てられていた。
「や、だ――……」
「もう遅い」
ぐっと甲斐のものが挿入されてくる。腰を掴まれて揺さぶられ、確実に甲斐のものを内奥に呑み込み、透はシーツに片頬を擦りつけて喘ぐ。
「ひいっ、あ、はぁっ、あうっ、あうっ」
甲斐のものが根元まで内奥に収まり、透は甲斐と肉体的に一つに繋がる。背後では甲斐が荒い呼吸を繰り返していた。
「くぅっ、イイ。物欲しげに締めてる、俺のを」
手首の戒めが解かれて、手荒にシャツを脱がされる。露になった背にてのひらが押し当てられ、肩甲骨の辺りを特に丹念に撫でられた。
「――……俺はいつも見てた。お前の背中に翼があるのを。いつかこいつは、俺を置いてどこかに行こうとすると確信もしてた。だけど、行かせない。一つぐらい、俺が自分で手に入れるものがあってもいいだ咥咥咥咥咥咥咥咥咥咥?」
ゆっくりと甲斐の腰が動かされて、透は内奥を突かれ、擦られ、掻き回される。無視できない痛みや、痺れるような快感が引きずり出されていた。
意識しないまま、透は甲斐の見ている前で腰をくねらせ、必死にシーツを握り締める。甲斐が荒い息を吐き、透を貫いたまま背後からきつく抱き締めてきた。そのとき、微妙な角度で内奥を擦り上げられ、否応なく官能を刺激される。
「あ、うぅ……」
「今のお前を見てると、たまらなく興奮する。プライドの高いお前が、体をくねらせて俺のを咥え込んでるんだからな。中の具合も、最高だ。どこを突いてやってもひくついて、吸い付いてくる」
自分の言葉を証明するように、甲斐がズルズルと内奥から熱いものを引き抜いていき、透は腰を小刻みに震わせる。短い間に喬木のものに慣らされた体は、とおのく快感を引き留めようと、本能的に甲斐のものを締め付ける。
それに応えるように、甲斐が抜きかけたものを再び根元まで挿入してきて、深い吐息を吐き出した。透も堪え切れず細い声を洩らす。
再び背後から抱き締められ、敏感になっている胸の突起を二つとも摘まれる。つねられ、転がされ、引っ張られる。ふいに思い出したように、完全に甲斐のものが引き抜かれて仰向けにされた。
胸の突起をさんざん貪られてから、両足を抱えられる。透は甲斐の肩を押し上げようとしたが、擦りつけられた先端を難なく内奥に含まされて、思わず甲斐にしがみつく。ゆっくりと突き上げられて、気がつけば甲斐のものを深々と呑み込んで締め付けていた。
「お前だって、こんなに俺を欲しがってる」
「違うっ……」
「なのに、どうして俺から離れようとする。俺たちは一緒にいるべきなんだ。いくらでも、俺はお前をサポートしてやる」
苦しげな表情の甲斐に見下ろされ、透は唇を噛んで首を横に振る。カッとしたように、甲斐が激しく腰を動かし始める。
「あっ、くうぅっ。ひ、いぃっ」
乱暴に突き上げられ、透は簡単に翻弄される。
忙しい律動が繰り返され、たまらず透は甲斐の肩や背に爪を立てる。ときおり、ズルリと熱いものが引き抜かれて透は内奥を収縮させるが、その瞬間を待ち兼ねていたように甲斐に貫かれる。最奥をグリグリと抉られ、透の背筋に痺れが這い上がっていく。
「んああっ……」
痛みとも快感とも知れない感覚が頭の芯を焼く。意識が飛びかけたところで、わけもわからないまま体が離されてうつぶせにされる。甲斐の言葉が耳に届いた。
「中に出すのは勘弁してやるよ」
まるで、甲斐が言っている透の背中にあるという翼を汚すように、背中に生暖かな液体を滴らされる。この瞬間、甲斐がどんな表情していたかなど、透は一生知りたくはなかった。
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